一期一会。
前社長の言葉を借りるなら、エルタイム株式会社の名前は、この一期一会という言葉から来ているそうです。
思えば前社長との出会いも縁があってのものでした。
消防設備点検の業界に入ってある程度の年月が経ち、個人事業主として独立した私は、同じく個人事業主である消防設備士の大先輩から紹介を受け、当時社長であった前社長と出会いました。
そこから何年かお付き合いさせていただくうちに、事業継承のお話を受け、熟慮の末にお引き受けして現在の私があります。
選んでいただけたのは何故だろう?と考えてみると、自分で言うのは憚られますが、やはり丁寧さと誠実さであろうと思います。
私は消防設備の業界に携わるものとして、特に高い専門知識や技術を持っているわけでも、特別大きな目標やビジョンを持っているわけでもありません。
ただ、お仕事として関わった方々のお役に立てるよう、目の前の事を丁寧に、毎日こつこつと続けてきました。
消防設備点検という仕事において、そういった姿勢が評価されたのだと思います。
毎日こつこつ続けていく中で思うのは、消防車や消防士と比べて、消防設備や消防設備士は、圧倒的に知名度が低いということです。
家の小さな息子も、パトカーや消防車のことは大好きですが、消防設備に興味を持ったことはまだ一度もありません。
平時であればあるほど役に立たない設備ですから、知名度が低いのはある意味当然なのかもしれません。
しかし、ひとたび火災となれば一番最初に、それこそ消防車よりも早く作動あるいは使用される重要な設備です。
消防設備とは、火災が起きた時に消火し、延焼を防ぎ、人に知らせ、あるいは避難を助けるための設備全般を指し、その種類は多岐に渡ります。
消防設備点検とは、それら消防設備が正常に機能するかを、専門の資格を持った人間が点検することです。
不具合があれば、どういう不具合で何が問題になるのかをご説明し、修繕のご提案をします。
設備の中には有事の際、人力で動かすものもありますので、使用のための訓練のお手伝いもします。
そういった中で消防設備の重要性をご理解していただきながら、消防設備と消防設備士の名前を、今までよりも身近で親しみのあるものにしていけたらと願っています。
今までもこれからも、お客様や関係者様、今までお会いした全ての方々とのご縁を大切にしながら、消防設備を重要かつ身近なものとして感じていただけるように。そしていざという時に確実に使うことができるように。
一期一会の精神で、丁寧に誠実に勤めていく所存です。
エルタイム株式会社 代表取締役 富田 順和